東日本大震災とトラウマ -その支援と回復に向けて-

ビッセル・ヴァン・デア・コーク博士
6月の初旬、明治大学アカデミーホールにて、世界をリードするトラウマ研究の第一人者である
米・ボストン大学医学部精神科教授のビッセル・ヴァン・デア・コーク博士の講演会がありました。
コーク博士は、仙台・福島等の被災地を視察され、東日本大震災特有のトラウマ被害の現状と
その支援について講演されました。


最新の脳科学や自身の研究成果による理論を要約すると・・・
「性急なトラウマ体験の言語化はかえってトラウマを深くする。
 呼吸やヨガ・タッピング・遊びなどを通して、自分で自分を高揚させたり、沈めたりといった自己
 コントロールを体験することが有効である。それによりトラウマによる無力感や自己や外界への
 コントロール喪失感を補償し、自分で自分をコントロールできるという感覚が回復する」
日本人は、西洋のトラウマ・エキスパートを頼りにすることが多いのですが、日本には、すでに
素晴らしい方法が多くある。
トラウマを受けると、脳・身体が凍結する。日本の剣道、柔道、合気道、太鼓はそれを乗り越える
方法である。

トラウマは、言葉が出てくる前に身体が再体験し、声に出し、呼吸が浅くなります。
話すほどにトラウマを再体験し、身体が再現します。
トラウマを克服するには、トラウマを安全に観つめる。起こったことを静かに観ること。

たとえば・・・波の音は、心を安らげてくれますが、東北の方々が波の音を聞くと、身体が硬く
なり、呼吸が浅く早くなることもあるかもしれません。
トラウマのフラッシュバックが起こると、右の脳の扁桃体(動物的恐怖を感じる場所)が活性化します。
フラッシュバックが起こったときは、何が起こったのかを言語化するのではなく、身体のどの部分に
どんな感覚があるのかを静かに観る、感じることが大事なことだそうです。
そして、身体が思い出しているこの感覚は、前に起こったことであり、今は安全な場所にいるという
ことを前提に、トラウマを安全に観つめることが大事なのです。

コーク博士が、ヨーガの呼吸法と瞑想は、過去や未来ではなく「今」を見つめることになるのでとても
有効であると何度も語っていました。
ヨーガのポーズ、そして呼吸法と瞑想は、ストレスを受けている身体と心を客観的に観ていく力をつけて
くれます。繰り返し練習していくことで、自分で自分のトラウマを癒すことができる手法なのですね。
道具も何もいらない、自分で自分を癒すセルフヒーリング法なのです。

現在、日本ヨーガ療法学会の会員達は、岩手・宮城・福島等で避難所を訪れ、ヨーガ療法のボランティアを
精力的に行っています。
今回のコーク博士のお話は、背中を押していただいたようで、これからの被災地の方々の心のケアーに
更にヨーガ療法を広めていきたいと強く思える貴重な機会となりました。
    ヨーガ療法にご興味を持たれた方はヨーガスクエア・ディーバのHPを是非ご覧ください♪
    
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