上の写真の指の形は、チンムドラー(智慧の印)と言われています。
ムドラーとは、「印」の意味で、象徴的な手印や仕草や体位のことです。サンスクリット語の「封印」を
語源としていて、エネルギーを閉じ込めて、活用できるようにするためのものだといわれています。
ムドラーは、他にも形がありますが、今回は、チンムドラーについてのお話です。
親指は神聖な力を意味し、大宇宙=神様を表わしています。
人差し指は人間の意識を象徴し、小宇宙=自我(心)のことを表わしています。
上の写真のように親指を人差し指を合わせ、他の3本の指は、離して揃えておきます。
世俗のことから離れ、神様の意識と結ぶと言われています。
更に詳しく説明すると・・・
親指・・・・「神・宇宙」
人差し指・・「心・自我」
中指・・・・「プライド」
薬指・・・・「欲望」
小指・・・・「無知」
親指と人差し指はしっかりと結びつけて、世俗の世界と引き離しているのですね。
一日の終わりに・・・
胡坐を組んで座り、膝の上でチンムドラーを作ります。
静かに目を閉じ、ゆっくりとした呼吸に心を合わせてみましょう。
~ 自然に心の中の静けさが広がっていくことでしょう。 ~
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月別アーカイブ: 2011年8月
歴代のグルに感謝の祈りを捧げる神聖な夜
当教室では、インドに10年間住んでおられた村井由佳先生を招いて、インドの叡智である
ヴェーダンタの智慧を学ぶ会を開いています。
村井由佳先生は、ご夫婦で各地で勉強会を開催しています。
今回は、村井ご夫妻から送られて来た貴重なお話をご紹介させていただきます。
7月15日、金曜日の夜、この日の満月は、”グル プールニマ” 歴代のグル=導師への
感謝の祈りを捧げる神聖な夜でした。
プールニマは、満月の意味。欠けることなく満ちているもの、それは、真の私の象徴です。
「”私”は、意識そのものであり、
今、既に何にも影響されることなく満ち足りている。」
グルと呼ばれる方々は、常にこの事実を忘れることはありません。
クリシュナ神を通して信仰の重要性を説いた神話集「バーガヴァータン」に次のような一節があります。
(参考:シュリーマッド バーガヴァータン 日本ヴェーダンタ協会出版)
「ああ、聖者マイトレーヤよ!人間の本質は、意識そのものであることが、あなたの言葉によって
良くわかりました。真理を知る神様は、マーヤーが自らの僕であることを知っていらっしゃるけれど、
反対に、人間は、マーヤーが自分の主人であり束縛されていると思っているのですね。
私は、同時に、思いました。そのような事実を知った賢者は、間違いなく幸福でしょう。
そして、全く鈍感な心を持つ者も、この世を楽しみ、それなりに幸福であることを。
しかし、賢者でも愚かな者でもない、中間の者は、不幸です。
なぜならば、この世のはかなさに気づき、この世の喜びに完全に満足できず、
さらには、神の至福、恩寵についても知らないからです。
ああ!賢者マイトレーヤよ!あなたのような聖者と交わり、敬服し、奉仕を実践することで
人は神様への愛を培い、神様のうちに歓喜と平安を見つけ出すのですね。
どうか、真理について、続けて私にお話しください。」
導師(グル)が幸福を得るための、道しるべを常に与えてくださることが良くわかります。
村井先生は、インドに住んでヴェーダンタの智慧に出合い、聖典を熟読し、真の自分を知り
たいと日々思い続けていました。
そんな時、ある村で真理を悟った一人の老人と出会いました。
その方に会うなり、「どうしたら真理を知ることができるのでしょうか?」と問いかけました。
すると・・・その老人は、「そんなに頭の中が知識でパンパンだと、神様の入る隙間がないですよ。」
と、おしゃったそうです。
その時は、努力をしている自分を否定されたような気持ちにもなりましたが、今は、その意味がよく
わかるそうです。
私たちは、日々の生活の中で、努力しなければ何かをえることが出来ないのではと思っています。
しかし、この私たちを永遠の安らぎへと導く真理は、努力して得られるものではありません。
真理について語ることは、とても奥深く言葉に表わしにくいものですが、一つだけ言えることは、
心と体を自分のもの、自分自身であるという勘違いから引き離し、そこから離れることで神様の入る
隙間ができると、神様と結びつくことができるのです。
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