月別アーカイブ: 2011年7月

招待講演 「健康法、呼吸法と免疫力」

安保先生の本
日本ヨーガ療法学会の招待講演として、世界的免疫学者である 新潟大学大学院教授 安保 徹先生の
講演がありましたので、その内容をご紹介します。
安保先生は、多くの書籍も出版されています。東北の方言で優しい口調で分かり易くお話してくださり、
生命科学の一見難しそうな内容も興味深く聞く事ができました。

2008年1月10日に、安保先生は、私たち生命体が生きているとはどういうことなのだろう?という
つねづね頭を去らない疑問に直結する気づきがありました。
どうして自分は、こんなにも女性に惹かれるのだろうという悩ましい疑問も氷解したそうです。
そして、その気づきを得たことにより、がん細胞が持っている理路整然とした目的がくっきりと見え、
免疫力や健康法に関するエネルギー産生系からの理解を得ることができたそうです。

その内容は・・・
私たちの祖先は、約20億年前に、酸素のいらない「解糖系生命体」と、酸素に依存した
「ミトコンドリア系生命体」の2つの生命体が合体し、真核細胞の進化により、私たち「ヒト」と
なったのです。 男性の精子は、解糖系生命体であり、女性の卵子は、ミトコンドリア系なのです。
解糖系生命体は、分裂が盛んで、低体温と低酸素が好みです。エネルギーに瞬発力があります。
ミトコンドリア生命体は、分裂が少なく高体温と高酸素が好みです。安定と持続力のエネルギー
があります。 
子供時代は、解糖系エネルギーで、分裂を繰り返し全身が成長していきます。この時期は、瞬発力が
ありますが、持続力が少ないのが特徴です。
大人になると、解糖系とミトコンドリア系が調和を保ち、瞬発力と持続力のバランスがあるので安定
して仕事が出来る時期です。
しかし、この大人の時期に、多くのストレスを受け、無理をした生活を続けていると交感神経緊張に
より、血流が悪化し、低体温・低酸素・高血糖になります。
この危機を乗り越えるための生体反応の一つでもある、低体温・低酸素・高血糖は、解糖系の好みの
条件なので、解糖系生命体が優位になり、発ガンを導いてガンになるのです。
ガン細胞を調べると解糖系で生きていて、安定と持続力のミトコンドリア系が少なく、その為に体が疲れ
やすくなります。

40代を過ぎると、ミトコンドリア生命体が働ける環境を作っていくことが必要となります。
成長期ではないので、食事は小食を心がけ、からだの声を聴いて心身のストレス状態を観察しなが
ら、上手にストレスを対処していくことが大切です。
そして、安保先生の健康法の基本の③項目を日常生活で意識して実践していくこと。
  ①体を温める ②深い呼吸 ③腸内環境を整えて免疫力を高める
ガン細胞が出来るメカニズムをエネルギー産生系から知ることで、化学的な治療に頼ることがなく
安らかな気持ちでガンに直面し、私たちが本来持っている感性を取り戻すことで、ガンにならずに
元気に生きる方法も見えてくるように思えました。

     ガン細胞の本質を知ることの大切さを改めて感じた講演会でした。 
  
         ヨーガ療法の深い呼吸で自律神経を整えませんか?   
              ヨーガスクエア・ディーバのHPコチラdeva

第9回 日本ヨーガ療法学会研究総会 in 札幌

羊が丘
今年の日本ヨーガ療法学会は、6月25日に北の大地 札幌にて開催されました。
今回の研究総会のテーマは・・・
がん統合医療とヨーガ療法~がん予防とがん再発予防としてのヨーガ療法~
     大会長は、「がんヴィレッジ札幌」の平田 章二院長です。
「がんヴィレッジ札幌」では、統合医療としてヨーガ療法を取り入れています。
生活習慣病である「がん」を引き起こした大きな原因のひとつは、現代人間社会において乱れてしまった
心・精神・食・そして生活習慣・環境だと考えられます。
しかし、現代西洋医学治療は、手術・化学療法・放射線治療が主流であります。
同じ病名の患者でも、それぞれ病因や心理状態は一様ではなく、体の外からの治療に加えて、体と心の
環境を整えて、自然治癒力を高める体の中からの治療を併用することが望ましい。という理念の基で、
平田院長は日々の治療を行っています。

平田院長は、お話の中で・・・
「医療従事者は、患者さんを中心と考え、生命を支え援助していくことが仕事です。」
と語られていました。

「がんヴィレッジ札幌」では、「ひまわりの会」という患者さん同士の交流の場を作っています。
その会では、「あなたはすばらしい」「人間はすべての人が意味があって生きている」と自己の存在を
肯定できるようにサポートすることが目的です。
病気で一人でトイレに行けなくなった時、自分の存在が無くなってしまったと落胆される方が多いのだ
そうです。
そんな時も、愛して信頼する人に委ねる心、私は生きていていいんだという事に気づいてもらえるよう
に、個別にヨーガカウンセリング等も行っているそうです。

「がんヴィレッジ札幌」でヨーガ療法の指導をしている 高木 史子さんのお話によると、1週間に
1回のペースで顔を合わすヨーガ療法に参加している患者さん同士も、1週間の間にあった出来事や
感じたことなどを話し合うことで、自分を客観視する練習になっていて、お互いにカウンセリングして
いるようで、とても大切な時間になっているそうです。
そして、ヨーガ療法に参加している人の生理的変化の検査でも、多くの患者さんがストレスホルモン
(コルチゾール)や、体内活性酸素(酸化ストレス度)の低下、抗酸化力の向上が確認できたという
発表もありました。
特に、がんの患者さんは、自律神経バランスを調べると、交換神経がかなり優位となっている為に
ヨーガ療法を行った後の副交感神経優位になる変化がわかり易いそうです。
精神的に安定することで、腫瘍マーカーが半減した患者さんや、向精神薬を中止できた心身症患者
さんもいるそうです。

「がんヴィレッジ札幌」内で、チーム医療の一員としてヨーガ療法を実施している療法士のお話を
聞かせていただける貴重な機会を与えられたことに感謝いたします。

   ヨーガ療法にご興味がある方は・・・・ 
    ヨーガスクエア・ディーバのHPを是非、ご覧くださいね♪ →DEVA
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