月別アーカイブ: 2010年12月

万所に遍在するもの

富士山
今年は、皆様にとってどのような一年だったでしょうか?
世界的な出来事を思い出してみると、ハイチでの大地震、スペースシャトル
「ディスカバリー」の打ち上げ、日本を襲った記録的な猛暑など・・・様々な
事がありましたね。
しかし、自然の驚異的な出来事には、私たちは無抵抗な存在です。

ヴェーダ聖典には、そのような自然の現わされる驚異の中にも万所に遍在される
神様の意識があると言われています。
万所に遍在する神様の意識について、スワミ・チダナンダ大師の書かれた
「真理への解放」に次のように書かれています。
「 どこにあっても一なる存在が満ちあふれ、神様の御心が満ちあふれている。
 何処にいこうとも、すべての事物からこの身を遠ざけることはできるかもしれ
 ないが、神様からは離れることはできかねる。私が、何処かへ行こうとする
 前に、すでに神様はそこにいらっしゃる。
 神様は最も近くにあるものよりも更に身近にあり、遠くにあるものより更に
 遠くにあられる。
 万所に遍在し、万物の内に住まいし、私の内にも住まいされる 」

こうした真理に向けて瞑想を施し、このような真理が忘れられることがなく、
あなた方の内心の基本的な意識とされるならば、聖者達、賢者達が獲得した
ものと同じほどの幸福な心境の中に、清浄な環境の中に留まり続けることが
できるのです。

今年、自分の周りで起こった出来事や、出会った人々の内にも神様の意識を感じ
とれることが出来たでしょうか。
そして、自分を取り巻く様々な出来事と調和していられたでしょうか。
 新しい年も皆様にとって素晴らしい一年となることをお祈りいたします。

   ヨーガスクエア・ディーバのHPリニーアル♪ deva

三種の徳性について

雪景色
人間は、誰しも三種の徳性(動性・暗性・善性)をもっている。
心の中に無意識状態で残っている過去の残存印象や無智さである種々の業が、三種の徳性
の中のどれが優位になるかを決めていると言われています。
私たちは、肉体と感覚器官の働きとで知覚するために、これらの三種の徳性の変異による
影響を受けながら行為が行われています。

動性優位(ラジャス)とは・・・
行動指向型であり、多くの人々や事物と関わりを持ち、それらに捲き込まれ、
自分の行為により、よい結果が返ってくることを期待する。
二極の対立感情に害されて、苦痛と憂いをもたらす。
苦い酸っぱい、塩辛い刺激的なものを好む傾向となる。
暗性優位(タマス)とは・・・
無智さの殻で覆われている。
精神的にも肉体的にも行為に駆り立てられることはない。
その者の楽しみは、寝ることや無為に過ごすことや、世間話に耽ること、放浪すること
食べること、麻薬やアルコールのような人を中毒にさせるものを口にする。
善性優位(サットヴァ)とは・・・
二極の対立感情を乗り越えた状態であり、自分自身が行為者であるという意識の無い状態
である。無私の思いで行為を行い、行為の結果に執着しない。
清浄さ、満足すること、調和といった性質を持ち合わせています。

バガヴァッド・ギーターの中で、アルジュナはクリシュナ神に三種の徳性を超越し
絶対者ブラーフマンに至る道について訊ねます。

クリシュナ神からの教えは・・・
「バクティー・ヨーガと呼ばれる神様への信愛のヨーガを行ぜよ。常に静慮を施して
 神様のことを考え、身口意にわたって神様の御名を唱え、神様の栄光を讃える人物は
 三種の徳性を超越して神様と合一するのである」

今年も、一年の間に様々な出来事があったと思います。
その行為の場面の一つ一つを思い出し、三種の徳性(動性・暗性・善性)のどの性質の影響が
優位に働いていたかを調べてみましょう。

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