月別アーカイブ: 2010年10月

N.V ラグラム氏講演会

ラグラム先生
ヨーガ療法研究で世界的に活躍されている N.Vラグラム氏による講演会が東京と大阪で開催
されました。
N.Vラグラム氏は、スワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究所所属の主任ヨーガ療法士です。
優しい笑顔の素敵な尊敬するヨーガ療法士です。

今回の講演は、「インドとアメリカの最新のヨーガ療法事情」についてです。
N.Vラグラム氏は、インド、日本、アメリカのみならず、様々な国々でヨーガ療法を指導しています。
20年前に比べるとヨーガ人口が増え、現在ではインドがどこにあるのか分からない人が多いウルグアイ
でも行われるようになったそうです。
世界保健機構(WHO)の健康とは、肉体的に病気がない状態を言うのではなく、肉体的・精神的
社会的・宗教的な次元での健やかな状態のことを言う。と定義されています。

しかし、現代医学は健康の管理というよりは病気の管理になっています。病気があれば薬を処方
しますが、真の健康を実現するためにはどうしたらいいのでしょうか・・・。

その点では、ヨーガ療法は何千年も前から伝わる科学的なものであり、自分の内側から気づき、癒しが
得られるので、色々な病気にも役立ち、なおかつ宗教的な次元にもアプローチできる包括的な方法である
と、N.Vラグラム氏は強調されています。

健康を取り戻すことは、それほど難しい事ではなくて、健康というのは、自然な状態でありリラックス
した状態のことです。 その反対に、病気というのは、不自然な状態で緊張した状態のことです。
子供の頃の私達は、歩き方も、走り方も、転び方もリラックスしていましたよね。
大人になると、緊張が多くなることでリラックスから離れていきます・・・。
子供達は、プラーナ(呼吸)のレベルでも、自然でゆっくりとしています。 大人なると、プラーナも浅く速く
なっています。大人になると、ヨーガを日々の生活に取り入れながら、肉体レベルからまずは、リラックス
の状態を意識的につくっていかなければならなくなってくるのです。

ヨーガの呼吸法は、呼吸の速さをゆっくりとさせるので、心の速さもゆっくりになり平和なリラックス状態
を造り出します。

現代社会は、変化が速くストレスも膨大です。しかし、一番の問題点は、外側からの刺激ではなくて
自分自身が造り出す内側の速さが最も問題なのです。
内側が速いので、外側のことを楽しめない状態を造り出しているのです。
呼吸の速さも内側の現われですが、怒りの感情も内側にあるのです。外側で笑顔をつくっていても
内側に怒りがあれば血圧も上がります。
このように不安や怒りによって造り出した不自然な状態から自然なリラックス状態を造り出して
いくのが、健康の為に一人一人が考えていかなければならない重大な課題なのです。
ヨーガ療法の技法は、その手助けに役立つのです。

インドのバンガロールのヨーガ療法施設では、すでに2万人の方々が、ヨーガ療法の効果を体感されて
います。ヨーガ療法を行うと不安が減り、呼吸数、心拍数の減少があります。
特に、心拍数に関しては、100%の方が減少します。 ヨーガ療法では、緊張している自分を観察し、
気づきながら緩めていきます。その緊張と弛緩を体感することが大切なのです。
そして、アメリカでは、ガン患者のQOL(生活の質)の向上にヨーガ療法が役立つとの見解により、すでに
アメリカ人医師20名とヨーガ療法士(N.Vラグラム氏を含む)との共同研究が進んでいます。
特にアメリカでは、いつまで生きられるのか?ということよりも生活の質の向上(QOL)を大切にして
います。そして、ヨーガに関心を持っている医療関係者が増えているということです。

ヨーガは自分自身が今どのような状態になっているのかを客観視し、気づき、調和へと導きます。
これが宗教上の対立や暴力的なことも減っていくことに繋がると、N.Vラグラム氏は講演の最後に
語られました。

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国民総幸福量(GNH)って何?

ブータン王国
上の写真は、ブータン王国の棚田です。 日本の里山風景のようですね。
インドと中国にはさまれたチベット仏教を国教とする、人口約70万人足らずの国です。

ブータン王国には、国民総生産量(GNP)ではなく、それにかわる国民総幸福量(GNH)というのが
あります。 国民の幸せに重点を置いています。

ブータン王国の首相は、国民総幸福量(GNH)の概念を次のように語っています。
「目的と手段を混同してはいけない。経済成長自体が国家の目標であってはならない。
 目標はただひとつ、国民の幸せに尽きる。 経済成長は、幸せを求めるために必要な
 数多い手段のうちのひとつでしかない。
 富の増加が幸福に直接つながると考えるのは間違いである。」

ブータン王国は、「世界で最も幸せな国」といわれていて、国民の97%が幸せを感じながら
生きているのです。
日本に住む私達は、物質の豊かさは充分にありますよね。 しかし、国民の幸せと結びついて
いるのでしょうか・・・。

先日、ブータン王国の子育てについてのドキュメンタリー番組が放送されていました。
(NHK BS 「プラネットベービーズ」)  その中で、ブータン王国の母親が、ブータンに昔から
伝わる ことわざを11歳の娘に伝えていました。
① 都会にあるものには価値はない。森にあるものは、小さいものでも価値がある。
   (小さくても価値ある物の大切さ。 自然の豊かさを忘れないでいてほしい。)
②大木も根から切れば倒れる。(何事も基礎が大事。)
③よい花の香は、いつまでも続く。(よい心がけでいれば、常に幸せでいられる。)

近年は、ブータン王国も経済的に少しづつ豊かになり、テレビも普及されたり、田舎に住む
子供達も学校に通っています。 母親達は、物の豊かさにより子供達が本当に大切なものを
失っていくのではないかと不安になっています。
日本にも、多くの古くから伝わることわざがありますよね。私も、祖母から教わった記憶が
蘇ってきました。 
「押してもだめなら引いてみな」「能ある鷹は爪を隠す」「案ずるより産むが易し」・・・。
 
この意味がわかるまでに時間がかかりましたが、大人になってから、苦しい時に、この
ようなことわざにずいぶんと励まされました・・・。
そして、ウパニシャド、バガヴァッド・ギーターなどのインドの聖典の中にも多くの
真理の宝石、心を豊かにしてくれる智慧の教えがあります。

今月のディーバの聖句瞑想「無常の財ではなく、常なる智慧の財を築け」は、金銀財宝は
はかなく消え去り、心の中の智慧は永遠に消えないので大切にせよ。という智慧の教え
です。

自分自身の心を豊かにし、精神性を高めてくれる[智慧の財]を築いていくことを大切にして
いきたいですね。

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