月別アーカイブ: 2010年8月

カルマ・ヨーガの真髄

ブッタガヤの寺院
聖典「バガヴァッド・ギーター」第二章47節には、カルマ・ヨーガの根本理念が説かれています。
「汝の能力とは 行為することだけにあり、行為の結果を要求することにはない。従って行為の
結果を動機として行為してはならない。 同時に無為に捉われてもならない。」

私達は、会社に勤めたり、家事を行ったり、学校で学んだりと、それぞれの立場で行為して
いかなければなりません。 一瞬たりとも行為をしないでいられる人はいませんよね。
そして・・・「何かを手に入れなければならない。」「何事かを獲得せねばならない。」と,
結果についてどうしても考えてしまうものです。
しかし、バガヴァッド・ギーターの教えによると、何かを行為するときに、期待や欲望を持ってはいけない
のかと思われる方も多いと思います。

しかし、期待したり、欲望を持って仕事などを行ってはいけないという事を、聖典が説いている
のではありません。
その行為の動機が大切であるということを伝えようとしているのです。 その行為に向かう心理的
態度と心根が一番に重要なのです。

しっかりとした心根があると、その行為の結果が、自分の思う結果でなくても、それほど心が乱される
ことがなく、次の行為へと移ることができます。
しかし、その動機が、利己的であり、心根が悪ければ、失敗すれば意気消沈し、成功すれば得意に思い
ます。このような状態では、いつまでも心に調和と平和さを保てません。

正しい行為の仕方についての、インドでの例え話があります。
ある3人の男が、寺院の建設のために石を削っています。 そこで、その3人に、どのような
気持ちで、どのような動機で働いているのかを質問しました。
一人目の男は、「この仕事は、賃金も安く、仕事もキツイです。」と不満を述べました。
二人目の男は、「家族の生活費を稼ぐためです。」と答えました。
三人目の男は、「寺院が建つ事に希望を持ち、楽しみながら石を削っています。今では、石を打つ
        音も神様へ通じる音、まるで音楽のように心に響きます。」と答えました。
それでは、ここで三人の男の心理的態度を分析してみましょう・・・
一人目の男は・・・苦しみながら行為をしています。行為に束縛されています。
二人目の男は・・・家族のために働いているのですが、その仕事に対する自覚があまり感じられません。
一方、三人目の男は、行為の背後に智慧が存在し、その行為の背後に神様への自覚が感じとれます。自分が行為者であるという思いもありません。
これが、まさにカルマ・ヨーガの真髄なのです。

結果への執着心が無くなると、行為に束縛されず心は冷静で安定した状態が保てます。
そうすることで、仕事に注意力を集中させることができるようになり、忍耐強くあれば、正しい結果
の数々は、自然に付き従ってくるということなのです。

    ヨーガスクエア・ディーバ
       ホームページ リニューアル♪DEVA
      

認知症にならないための決定的予防法

認知症の本
この本の著者である ヴィンセント・フォーテネイス氏は、神経学から精神医学、リハビリテーション
医学まで、幅広い教育を受けてきたドクターです。
彼の父親を襲ったアルツハイマー病の感情的な体験と神経内科医として見てきた文献を調べ上げ、
みずからの経験を活用しながら書き上げたアルツハイマー病を防ぐための処方箋のような本です。

アルツハイマー病は、予防が可能であり、遺伝的素因がある人でも発症を遅らせることが出来ます。
実のところ・・・現代医学は、寿命を延ばすことには成功しましたが、脳の老化、脳の寿命を延ばす
ことには、成功していません。
脳の老化は、30代から始まっています。 脳を老化させない生活を、日々の生活に早く取り入れ
ていきたいですよね♪

それでは、本に書かれてあるアルツハイマー病を防ぐ【4ステップ】をご紹介します!
【ステップ1】・・・バランスと調和のとれた食事
     ○抗酸化物質(ビタミンA・C・Eを含む食品など)、オメガ3脂肪酸(魚、魚油に含まれる)、
      葉酸(豆類、アスパラガス、柑橘類など)の脳を活性化する食品を中心にした食事をとる。
【ステップ2】・・・筋力強化(アイソメトリック)
     ○運動はストレスを減らし、脳を活性化させます。不安やうつ状態を軽減し、気分も明るく
      なることにより脳の老化防止に繋がります。
      脳を鍛えるための筋力強化運動として「アイソメトリック運動」を勧めています。
      脳を活性化する成長因子を刺激し、筋肉の機能的能力を高めます。
      
    ●アイソメトリック運動とは?
     当教室(ディーバ)でもレッスン中に行っていますが、筋肉の等尺運動のことで、筋肉を
     収縮させるのではなく同じ長さに保ちながら力を加えていく運動です。
     特別の器具もいりませんし、高齢の方でも気軽に行うことができる筋力アップの運動です。  
【ステップ3】 ・・・脳の強化(ニューロビクス)  
     ○脳によい刺激があれば、生涯を通じて脳は、成長し続けるそうです。
      新しい活動に参加したり、人の世話をしたりしながら、社会との強い絆を持つことは、
      脳を鍛えることになります。
      新しい事に興味を持ち、チャレンジしたりすることも脳を若くさせます。
【ステップ4】・・・休息と回復(自分の静かな世界を見つける)
     ○深い眠りは、ドーパミン、セロトニンを始めとする神経伝達物質を充分に生成するのに
      大切です。 早めに就寝し、7~8時間の睡眠をとる。
     ○弛緩反応、腹式の深呼吸、音楽を聴く、瞑想、祈り、ヨガなどのリラクセーション療法
      を行うことを勧めています。

 一日を通して、何度でもリラクセーション療法を利用することで、深い眠りへと繋がっていきます・・・。
ステップ1~4まで、簡単にご説明しましたが、特にステップ4の「自分の静かな世界を見つける」は、
孤独になるという意味ではなく、自分が今やるべきことを見直す為の・・・静かな時間を作りだすことが
大切だということです。自分自身の内側に向かいながら、日々の瞑想を行っている人は、アルツハイマー病
を発症する確率が低いそうです。

      ~ 脳の健康のために、皆様もステップ1~4を実践していきませんか ~
 ●「認知症にならないための決定的予防法」 ヴィンセント・フォーテネイス著
   発行・・・ 河出書房新社