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まわりの環境を克服する


今年も残すところ あと僅かになりましたね。
過ぎ去る年に未練を残さず、潔く新しい年を迎える心の準備はできましたでしょうか・・・。

今年の一年を振り返ってみると、私を含め多くの方々が、自分自身を取り巻く、まわりの環境に
影響を受けてしまい、気持ちが沈んでしまったり、イライラさせられたり、または驚かされたり、
人によっては心を酷く傷つけられてしまったなど、様々な経験が思い出されると思います。
その反対に、私達自身も、まわりの環境に何らかの影響を与えたとも考えられますよね。
では、いつまで、私達は周りの環境に左右されて生きていかなければならないのでしょうか。

そこで、スワミ・チダナンダ大師の御講話集「真理への解放」(木村慧心 監訳)の14話である
「まわりの環境を克服しなさい」の中で、大師様は、次のように語られています。

あなた方が望みさえすれば、そのような外界からの影響に左右されない自分自身を作り上げる
ことが可能である。

即ち、この世界の自然な状態にあっては、個人というものが、まわりの環境に影響されるという
ことは間違いないことであり、それを突き詰めて考えてみれば、その個人という存在が、実は
それらまわりの環境に対して、自分に影響を及ぼすような力を与えてしまっているということ
なのです。
即ち、あなた方がまわりの事物の有様を信頼したり、それらの有様に気をとられ、それら外界の
事物に余計な重要感を与えたりするために、それら外界の事物からの影響に対して無防備なまま
に自分の身をさらすようになってしまうのです。

大師様の御講話を読み解いていくと・・・
私達は、まわりの環境に影響を受けさせられたかに感じていたことが、実は、自分の判断力と
分析力の乏しさから、内なる心の動きを見ることを忘れ、外界にばかり目を向けて、移り変わる
外界の事柄を重要視していた結果であったのですね。
このような自分自身で作り上げた苦しみの構図から、早く抜け出したいものですよね。

その為には、私達の誤った考え方や思考パターンを取り除くための努力として、
静かに自分を見つめる制感法を何度も繰り返し行いながら、心を常に内側に向けていくことです。

外界の事柄に不必要に引き込まれていないか・・・振り回されていないか等々・・・。
そのような努力を繰り返していくことで、外界の環境は私達に対して影響力を失い、もう苦しめ
られることも無くなってくるのです。

~ 新しく迎える年は、皆様がまわりの環境を克服し、内心にある真理、内心のすばらしさ、存在、
    純粋意識、歓喜に包まれ 調和のとれた平和な年になりますようにお祈りいたします ~

陰陽五行説について

陰陽五行説
陰陽五行説とは、中国医学の人体機能に対する考え方です。
まず、「陰陽」とは?
昼があれば夜があり、夏があれば冬があり、表があれば裏があるように、
自然は常に二つの側面で構成されています。
この現象を「陰」と「陽」と呼び、独自の宇宙観を作り出したものです。
「陰」と「陽」は、日頃から絶えず変化しているので、そのバランスをいかにして保って
いくかが重要となります。
そして、病気も「陰性」であるか、「陽性」であるかを知ることができれば、それと反対の
性質を持つ食べ物や薬を服用してバランスを取り戻すというのが、陰陽五行説の基本的な
考えとなっています。
水(陰)が強すぎると→火(陽)が衰弱し、火(陽)が強すぎると→水(陰)が損なわれます。

次は、「五行説」とは?
上の図のように、万物が五つの要素(木・火・土・金・水)の運動変化により成り立っていて、
五つの全てが欠けてはいけない基本物質であると考えられています。
互いに促進し、抑制しあってバランスを保っています。
古代中国人曰く・・・
「金は水を生じ、水は木を生じ、火は土を生じ、土は金を生ずるが即ち生成の道にて、循環して
きわまり無し、その過ぎたるを制して平に帰せしめることになり」
現代の西洋医学では、体の不調を訴えて病院に行っても、検査の結果の数値が正常値の
範囲内であれば、特に処置もせずに帰らされたという話をよく耳にします。
しかし、中国医学の陰陽五行説の目で見れば、その陰陽のバランスが明らかに崩れている
ことがしばしばあります。
はっきりと病気として現れていない「未病(ミビョウ)」と言われるものですね。
この「未病(ミビョウ)」を発症させずにケアすることが、東洋医学での健康維持の方法です。

ですから、中国医学では、医食同源の考えから、食材にも「陰」と「陽」と分類しながら
未病をケアする為に、考えながら食事の中に取り入れています。
これからの寒い季節だと、体が冷えて風邪を引きやすいので、胃腸を温め寒気を追い払う
しょうが(生姜)を多くとるのがいいですね。
そして、旬の食べ物は、その季節になると栄養素が増えて季節の変化のリズムを整えて
くれます。

そして、食べ物以外では、気は「陽」に属し、血液や汗、唾液などは「陰」に属します。
このバランスを整えるには、ヨーガや気功、散歩などがお勧めですね♪
体を温め、血液、体液を巡らせ、五臓六腑に栄養を与え免疫系を強化させてくれます。
ストレスや過労、心の中の不満や激怒は、気を滞らせてしまいます。
体を冷やしたり、日々の暴飲暴食も同じですね・・・。
この陰陽五行説を知れば、私達人間は、絶妙なバランスを保って存在しているのだなあ。
と改めて考えさせられます。どんどん興味が湧いてきます・・・。
人間の性格も、明るい「陽」の部分と、暗い「陰」の部分を皆さん合わせ持っていますが、
「陽」の部分が前に出すぎると、能天気な人と思われたり・・・。逆に、暗い「陰」の部分が
前に出ると陰気な人と思われたり・・・。
本当にこのバランス感覚は難しいですね。

自分の体質、今の状態を少し離れて客観的に観る目を大切にしながら、「陰」と「陽」の
絶妙なバランスを保っていきたいですね。