月別アーカイブ: 2009年9月

瞑想について

プラシャンティーの夕暮れ
ヨーガの本来の目的は、瞑想にあるといわれています。
多くのストレスを抱えている現代人は、瞑想することでストレスからの距離を保つこと
ができるようになります。
スワミ・シヴァナンダ師は、ヨーガと瞑想の修行を成功させるための「三つの極意」
は、「練習、練習、そしてまた練習」と説かれています。
やはり、修行に早道はないのですよね。

最初のうちは、どうしても周囲の雑音や雑念に気をとられがちです。
そのような時は、その雑音や雑念を観察者となってだた観るようにしていきます。
または、初心者の場合は、アーサナを通して瞑想を行うところから初めてみるのも
いいですね。
ヨーガセラピーでは、目を閉じてアーサナを行い、内側の感覚を意識化していきますので
動きのついた瞑想といえます。
当教室では、動きのついた瞑想(サイクリック・メディテーション)をレッスンの最後に時々
行ったりしています。 より深く、心身の意識化がしやすくなります。
サイクリック・メディテーションを行った後は、リラックスして穏やかな状態になります。
意識が覚醒しており、前向きで生き生きしたよい瞑想状態と同じ感覚が得られます。

私達の心は、外側からの苦痛や不満を外側の事柄として離して考えられず、内側に
存在させる性質があります。
内側に取り込んでしまうと、そこからは、心の中に余裕がなくなり、ゆとりと空間(スペース)
がなくなる為に、客観的に判断することができなくなってしまうのです。
瞑想は、人々を苦しめる苦痛や不満の間に距離を置き、空間(スペース)を作って客観的
に観ることができるようにさせてくれます。観察(客観視)する能力が発達していきます。

他人の心や生活に起こっていることに気づくことはできますが、自分自身のこととなると
ついつい見抜けなくなりますよね。
そのような時に、瞑想は大きな助けとなります。
そして、瞑想を重ねていくと、自分の内側にあるエネルギーと安らぎと智慧を使えるように
なるのです。 その智慧の源が「真我」です。
毎日少しづつでも、繰り返し瞑想の練習をすることで、ネガティブな思考パターンから
ポジティブな思考パターンに変化させていくこともできるようになります。

~苦痛から身を守るために想像や幻想の世界に逃げ込まないように、
          現実と向き合う意志を強く持って瞑想の練習を始めてみましょう ~

プラーナ(生気)の制御について

森と光
この世には、色々な次元で働いているプラーナ(生気)があります。
自然の中、そして様々な物質の中にも流れています。 

ウパニシャッド聖典の中では、全宇宙が造り出されたその基本原理がプラーナ(生気)
であると記されています。
物質と意識の架け橋になっている生命原理なのです・・・
そして、私達人間の呼吸も肉体の生命活動を直接に支えてくれる重要なプラーナ
(生気)ですね。
そして、このプラーナ(生気)を自在に制御しようとするのが、プラーナーヤーマ調気法
です。 ヨーガのレッスン中に行われる呼吸法のことですね。

聖師パタンジャリが著した聖典ヨーガ・スートラの中では、プラーナーヤーマとは、人間の
身体の中で働くプラーナ(生気)を浄化し、その働きを調和あるものとさせ、生気の働き
自体を制御することであると定義されています。
プラーナーヤーマは、生命を直接に支え、そして多くの恵をもたらす実に強力な技法ですが
その反面種々の危険も伴っています。
身体が緊張していたり、焦り過ぎていると苦しくなり、息を長くはくことができません。
ですから、プラーナーヤーマの実習は、指導者の話を注意深く聞きながら、順次適切な
行法を選んで実習することが重要ですね。

心をリラックスさせ、ゆっくりと正しい方法を順序よく行うことが大切です。
慣れるまでは、手を止めて指導者の身体と呼吸の動きを再度確認するくらいが
いいと思います。
最近では、プラーナーヤーマの科学的な研究報告もなされ、身体の自動化された
自律作用が向上し、脳内の働きが調和されるといわれています。
順次適切な方法で実習を重ねていくと、心が落ち着いて自律神経を整えて体調もよく
なりますが、それ以上の効果も期待できるようになります。

意識化の範囲が拡大して視野が広がると、内なる歓喜や調和、奉仕の心や
周囲の人々への思いやりなどが内から外へと現れてきます。
自己中心的な思いは一掃され、私達は自由な境地へと、意識作用が広く働く
境地へと移行してゆくのです。

この多くの恵をもたらしてくれるプラーナーヤーマを日々の生活に活かしてくださいね!