上の写真は、沖縄地方の呼び名で「がじゅまろ」という木です。
大地にしっかりと根を張って、どんな台風がやってきても負けない力強さを感じます。
「本番に強くなる ~ヨーガとメンタル・トレーニング~」
福島大学教授 白石 豊先生の第7回日本ヨーガ療法学会での教育講演のタイトルです。
スポーツの試合や資格試験の当日、誰でも緊張して日頃の成果が上手く得られなかった
経験はあると思います。
できれは、本番に強く、普段以上の結果が得られると最高ですよね。
白石 豊先生は、これまでも有名なプロスポーツ選手やオリンピックに出場するチーム
などのメンタル・トレーニングを行っている有名な方です。著書も多数出版されています。
集中する秘訣として、沢庵禅師の「前後際断せよ」と説いた言葉を何度も引用して
お話しておられました。
「前後際断せよ」の前というのは、過去の出来事、そして後というのは未来のことです。
その際を断てとは、「今ここだけに集中せよ」ということです。
ヨーガ療法も、外側の事柄に取り込まれそうになったら、心を静かに静めて、今ここを感じる、
見つめることを訓練しています。
白石先生の話を聞かれた阪神の下柳剛投手は、グラブや帽子のつばの裏に「前後際断」と
書いているそうです。
そして、日頃から自分に対してのポジティブな言葉がけとセルフイメージの拡大が大切。
セルフイメージ拡大法として・・・
①達成したいことを書き出す(目標達成ノート)
②達成と現実のギャップ(何が欠けているのか)をチェックする
③目標達成のための戦略を考える(方法・時間・勤勉さ)
④強化の法則(達成したいことについて話たり、書いたり、イメージすれば
するほど、そのことが起こる確率は高くなる)
私も早速、上記の事柄を書き出してみようとしましたが、以外と難しく、目的意識をしっかりと持ち
具体的に書き出してみる事の重要さが理解できました。
皆さんも具体的に書き出して、④番の効果の法則にしたがって、セルフイメージ拡大してみて下さい。
きっと、今の自分自身に気づくきっかけにもなると思います。
月別アーカイブ: 2009年5月
第7回 ヨーガ療法学会 IN 沖縄
私達は、自然の中からたくさんのエネルギーをもらって生きている。
特にこの沖縄の大地は、自然の恵みが豊かであり、花も木々も色鮮やかで、海の青さも
私達を日々の疲れから癒してくれます。
第7回 日本ヨーガ療法学会は、沖縄県宜野湾市で開催されました。
大会長は、琉球大学副学長の新里 里春先生で、臨床心理、特に交流分析を専門に
研究しておられます。
研究総会のテーマは「心身の気づきとヨーガ療法 ~アレキシサイミア・ソミアからの回復~」
で、種々のご講演や研究発表が行われました。
聞きなれない言葉ですが、アレキシサイミアとは、失感情・失言語化症のことで、
アレキシソミアは、失体感のことです。
心身症や生活習慣病などの心身相関疾患の方々に共通して、この性格的特徴があると
言われています。
アレキシサイミア(失感情・失言語化)の特徴は・・・
・情動を表明する適切な言葉を使わない
・空想が貧弱である
・葛藤を避けるために行動を用いる
・コミュニケーションが下手である などがあります。
アレキシソミア(失体感)の特徴は・・・
・病気が悪化してから気付く
・痛み、その他の身体症状に鈍感である
・空腹感・満腹感への気付きが鈍い
・疲労感に気付かない などがあります。
最近の、ご自身に思いあたるところはありましたでしょうか?
日本心身医学会の創設者、九州大学医学部名誉教授の池見酉次郎先生は、
ヨーガ療法について下記のように述べています。
自我、身体、自然が分裂していた状態から統合され、純粋自己・セルフを獲得であると
考察し、ヨーガは、心身症の治療に最も有効な治療法である。
また、本大会でも一般研究として、ヨーガ療法士養成講座の卒業生を中心にして
様々な症例(うつ病・パニック障害・過敏性大腸炎・・・etc)についての発表があり
心身症の方々がヨーガ療法を実践し、症状が改善された報告が行われました。
自分自身の身体と心を客観的に見つめながら、気づきを得ていくのがヨーガ療法です。
心身症、生活習慣病の蔓延している現代社会に最も必要な療法であると改めて思える学会
となりました。
この学会を通して、更に多くの方々の心身の健康法として広まっていくことを願っています。